ペルー・ワスカラン山における遭難救助 への対応について

Update 2025/6/26 9:00

南米ペルー、ワスカラン山(6768m)にて、当団体所属医療アドバイザー稲田千秋(40)とクライミングパートナーの寺田紗規(35)が遭難しました。

現在、現地当局や関係者の協力を得て救助活動が進んでいます。

多くの方にご心配、ご迷惑をおかけしておりますが、以下ここまでの対応の記録です。
※以下全て日本時間

2025年6月24日
15:30ごろ

 稲田千秋が体調不良(低体温症の疑い)により行動不能となる。GarminのSOS衛星通信機能を通じてペル―現地の民間レスキュー機関に通報が入る。
 民間レスキュー機関からWMAJへ連絡が入り、事実関係の確認作業を行なう。


18;00ごろ

 対策本部を設置し、各方面への交渉に入る。

 ・現地民間のレスキュー機関への救助要請
 ・現地警察機関への救助要請
 ・在ペルー大使館を通じた支援要請

 

21:30ごろ

 日本・ペルーの関係者によるオンラインミーティング
 ・稲田と寺田の生存を確認
※0:00ころまでテキストによる日本とのやり取りは可能。登山者は遭難地点にて待機中。行動不能の模様

 ・救助体制の確認

※遭難地点は山頂直下約6,600m付近。この標高まで飛行できるヘリコプターがペルーにはないため、救助隊はヘリにてワスカラン避難小屋へ飛び、その後徒歩にて現場へ。救助は陸路にてふたりをワスカラン避難小屋まで下ろし、その後はヘリレスキューを予定

 ・在ペルー日本大使館の計らいにより現地警察の協力を得る

 

 

2025年6月25日

6:00ごろ(現地時間16:00ごろ)

 ・現地警察と民間合同のレスキュー開始。隊員9名が入り3便に分かれてワスカラン避難小屋に入った

 ・ワスカラン避難小屋に到着後、徒歩によるアプローチを開始

 ・この間、在ペルー日本大使館および現地関係者の働きかけによりさらに複数チームが派遣される
 ・救助隊は、現地の山岳ガイドを中心とした⒑余名。数班に分かれて行動

 

21:30ごろ

 ・山麓にある宿泊所のスタッフから稲田、寺田と電話で交信できたと報告あり
 ・反応がスムーズでない点もあったが、ふたりの声が聞けたことを確認

 

2025年6月26日

2:00ごろ

 ・SOSにより確定されたポイント周辺まで接近するも、周辺には大きなクレバスがありアクセスが困難。ルートを探してアプローチを続行

 

5:00ごろ

 ・救助隊が遭難者2名にアクセス。寺田は意識あり、稲田は意識なしの重体と報告あり

 ・救助隊は夜通し活動。ふたりに応急処置をしながら搬送方法を検討

 

8:00ごろ

 ・現地の天候が悪化傾向にありレスキュー活動が困難を極め、2名の同時搬送が不可能となった

 ・現地レスキュー隊および関係機関により、現場にて稲田千秋の死亡判断を行なった

 ・これ以上のレスキュー活動は安全が確保できなくなったため、位置をGPSで記録し、稲田を現地に一時的に保管

 ・現在は寺田紗規の救助搬送に向けてレスキュー隊は全力で行動中

 

 

 

 

遭難地点

ワスカラン山山頂直下約6,600m付近。

 

遭難者 2名(当団体所属稲田千秋およびパートナー寺田紗規)

 

遭難対策本部

一般社団法人ウィルダネスメディカルアソシエイツジャパン

 

 

WMAJは日本側の対策本部窓口 として活動しています。
現在は各種専門家の知見を得ながら現地では最善の救助活動が行われています。

いまだ安否は不明ではありますが、続報があればまたこの場でお知らせいたします。

 

ご関係の皆様にはご心配をおかけしておりますが、必死に現地機関は現在も救助活動を続けています。

 

 

※お問い合わせへの対応は報道関係機関に限らせていただきます。

お問合せ内容は、下記「専用問い合わせフォーム」より送信してください。

 

また、現在、対策本部としての活動を遅滞なく継続させるため、電話での問い合わせには対応しておりません。

ご理解くださいますよう、お願い申し上げます。

 

なお、ご家族等への直接のご連絡などは、状況をお察しいただきお控えください。

 

対策本部

WMA Japan

 


対策本部 専用お問合せフォーム

お問合せについてのご回答は、フォームに入力してあるメールアドレスへの返信または電話番号への架電にて対応いたします。

ご回答には時間がかかる場合がありますので、あらかじめご承知おきください。

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