WMA野外災害救急員-WFRプロフェッショナルレベル, Outddor CPR+AED
COSMOS保育園 園長
皆さまどうも初めまして。横浜市にあります認可保育所、COSMOS保育園園長のハラです。このたび、WMAJのアンバサダーに任じていただけることになりました。
わたしは現在、都市の中の保育園で保育をしています。わたし自身のバックグラウンドも、インストラクターやアンバサダーの皆さんと異なり、出生から現在に至るまで野外をほとんどフィールドにしてきていません。学校の遠足であったり、登山もほとんど舗装されているような低山を登ってケーブルカーで帰ってくる半日野外活動を数年に一回程度。そのため、口が裂けてもアウトドア派とは言えません。
では、WMAとわたしにどのような接点があったのか。それは、元々知人であったアンバサダーの上野さんが招聘していた、北海道津別WAFAを受講したことから始まっています。その動機は、「救命についてどうせ後悔するなら、今できることをできるだけできるようになりたい」というところにあります。その時が確か2013年頃のことですから、WMAとはなかなか長いおつきあいになりました。
WAFA受講の動機は、特に保育と関連付けたものではありませんでした。しかし、都市において保育を実施している中で、救急救命の現場と無縁だったのか、と問われたら残念ながらそういうわけではありません。主に園児の疾病のために、しばしば救急車を要請する事象が起こっています。いずれも、結果的に色々な意味で大事には至らなかったことは不幸中の幸いでした。
おそらくこのように救急車を要請する事象があるということは、多かれ少なかれその場面に遭遇する保育園は多いと考えられます。また事故や事件、乳幼児突然死症候群を始めとした死に至る症状と、保育が隣り合わせであることは行政も十分把握しています。そのため、保育士(特に常勤職員)も救急救命法を習得するように、自治体レベル(わたしの行政区では神奈川県)での講習を事実上義務付けるようになってきています。
一方で、現在行政によって求められている保育士の救急スキルは都市型の救急法レベルに留まっており、救急車が速やかに到着することが前提となっています。 なぜその園児に対して救急対応が必要/不要だったのか、という根拠を保護者や行政へ適切に説明するところまでは、講習でカバーしていません。なぜなら、都市型の救急法では、救急法を実施した内容・根拠の説明までは講習内容に含まれていないからです。
しかし、わたしたちは保育を実施する以上、救急対応を実施したその根拠について、保護者や行政への説明責任が常に問われます。現状の都市型の救急法を基準とした対応では、保育、特に重要な役割として保育園に求められている保護者との連携において、救急対応についての説明能力が不十分であると言わざるを得ません。
加えて、現在の保育において毎月の避難訓練は課されているものの、災害時のようなウィルダネス状況下における乳幼児の救命・保護は想定されていません。それは同時に、救助時または被災避難時の保護責任者である保育職員のメンタル保護も想定されていないということです。それでは子どもも職員も守れません。
このような現状から分かる通り、保育というフィールドにおいて、その業態とその使命から考えると、自然ガイドにウィルダネスファーストエイドのスキルが義務付けされることと同様またはそれ以上に、子どもへの救命の連鎖という点から現状の改善が求められます。子どもと職員を守るため、確かな知識と技術のウィルダネスレベルへの引き上げが急務となっているのです。
正直なところ、症例やケーススタディにおいて想像するだけでもしんどいです。WMA受講中のシミュレーションでも、「やだなぁ」とつぶやきながら状況を始めるくらいです。小児のケースなど誰の子であっても本当に胸が痛くて張り裂けそうなほどです。しかし何の因果か、子どもの命を預かる勤めをしている以上、決して避けては通れない、そして今取り得る最高のものを求め・広める責任を負っています。
更に言えば、WMAのメソッドのコアにあるクリティカル・シンキングは、救命だけでなく日々変化し成長する子どもの保育においても非常に有効な理論と実践です。そのことも含めて、日本の保育におけるStandard of Careの標準を引き上げるための「既成事実」を作っていくことが、わたしの立場から参画できるアンバサダーとしての役目なのかなと思っています。
どうも浮き足立った目標にも見えますが、そんな事を考えながら日々子どもたちの愛に支えられています。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。
COSMOS保育園: https://www.lumiereplanning.co.jp/cosmos/