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どんなところでも人を助けるヒント①

「酸素の流れ」を維持する。

シンプルな考え方で、人命救助!!

 

 ”どんなところでも人を助ける救急法=野外災害救急法”では、体内の「酸素の流れ」を非常に重要視し、傷病者評価の基準としています。ところで、「酸素の流れ」という言葉を聞いて、「うわっ!難しい!!!」と思われたことでしょう。でも安心してください。今日はこのあたりをものすごくシンプルにお伝えしてみようと思います。

 

 そもそも、人間はたくさんの臓器や細胞が集まってできていますが、これらが生きていくために最低限必要なものといえば、一体何でしょうか…?

 チッチッチッチ…ピンポーン!

 そう、答えは「酸素」です。酸素があれば臓器や細胞はひとまず生きていることが可能です。言い換えれば、酸素が途絶えてしまうと遅かれ早かれ臓器や細胞は死んでしまう、ということになります。

 空気中から体内に取り込まれた酸素は血流によって体の隅々にある細胞まで運ばれていきます。こうして、体の隅々まで酸素を行きわらせる「酸素の流れ」があるからこそ、生命は維持されているのです。

全ては「酸素の流れが途絶えた」から。

 

次のケースを想像してみてください。

①川でおぼれ意識を失った人を引き上げた。すぐに蘇生処置をしながら病院へ搬送されたが、結果亡くなってしまった。

 

②交通事故で人が車に跳ね飛ばされ、あたり一面が血の海になった。すぐに救急車で病院に運ばれたが結果亡くなってしまった…。

 

③-10℃の被災現場。「寒い」とガタガタ震えていた人の意識が朦朧となりついに意識を失った。震えも止まった。急いで病院へ搬送されたが結果亡くなってしまった。。

 さて、これらのケース、「なぜ亡くなったのか?」と問われた時、みなさんは何と答えますか?多くの方が①窒息 ②大量出血 ③低体温症 と答えるのではないでしょうか。ところが、WMA野外災害救急法では、この答えが全て「酸素化が途絶えたから」と表現します。

 ①の場合は分かりやすいですね。窒息によって体内に酸素が入ってこなかった。結果体内の「酸素の流れ」を維持できずに死亡した。

 ②の場合、大量出血により酸素を運ぶ血液が出てしまった。結果「酸素の流れ」を維持できずに死亡した。

 ③あまりの寒さに体温が異常に低下し、重要臓器が機能停止してしまった。結果、体内での「酸素の流れ」を維持できずにに死亡した。

…となるわけです。

 つまり、野外・災害・遠隔地で起きるあらゆる病気・あらゆるケガの緊急度合いを「酸素の流れ」というシンプルな物差しを1つ持っていれば全て同じように判断評価できるようになる、というワケです。

 

 酸素から始まる、WMA野外災害救急法コース、少しは魅力が伝わりましたでしょうか。酸素に代表されるように、難しい医療を医師の力で一般人でも分かりやすく使いこなせるようにシンプルにまとめたカリキュラムが特徴です。もっと知りたくなった皆さん、ぜひWMAコースにお待ちしています!高校生~70代までの方が日本全国で受講しています。