大手 まゆみ (Mayumi Ote)


奈良県曽爾村生まれ。1歳8か月で自らの足で山に登り、放課後の遊び場は山か川かという環境のもと全力で遊んで育つ。

 

 母の勧めで子どもキャンプに参加し始め、小3当時に出会ったキャンプカウンセラーに憧れ、大学入学と同時に自らもキャンプ指導者となる。

 

 野外活動にのめりこんだ私は大学で心理学を学ぶ傍ら年間200日近くを野外活動施設で過ごし、幼児からシニアを対象としたキャンプ等で引率や運営を担当、野山に海川を駆け回る。

 

 大学卒業後も、大阪・兵庫・奈良・京都の野外活動団体のキャンプを手伝ったり、企画運営にも挑戦してみたり。

 

 そんな中、子どもキャンプや卒後勤務していた児童養護施設での傷病発生時における自らの無力さと知識不足とに歯痒さを感じて勉強するうち、2008年に野外救急法のワークショップを受けてこれまで受講してきた救急法との違いに衝撃を受ける。

 

 地元は自然災害が日常茶飯事、救急車を呼んでも到着まで30分以上かかり、救急病院までたどり着くにも1~2時間以上を要する医療過疎地のため、「何かあってもまず自分達で何とかしなければ」という考え方を身につけざるを得ない環境だった。

 

 そのため医療に対する憧れが幼少よりあり、一度は医療職を諦めるも転落事故による右手切断の危機を乗り越えたことをきっかけに、これまでの歯痒い経験から医療知識を身に着けたいという思いが強くなったことから看護師免許取得を決意する。

 

 看護学校入学後、北アルプスの山の中に診療所があることを知り、「うちの地元のような場所がある!」という謎の衝撃を受ける。生化学担当講師の紹介で夏山診療所での山岳医療ボランティアを始め(診療所には現在も毎夏通っている)、同時に登山者をより知りたいという目的もあってシーズンを問わない本格的な登山も開始する。

 

 看護学校3年時、ヘリで救急搬送され一命を取り留めた高地肺水腫の患者さんとの出会いや診療所で医師からお話を聞くうちに「自分の五感をフルに使って患者さんをみる。ここには医療の原点がある」と強い感銘を受けたことで救命救急センターを希望、卒後配属される。

 

 同時に夏山診療所での経験から野外災害救急法の重要性を改めて実感する。

 

 とある山小屋で、野外救急法で学んだ知識と評価方法により搬送方法を変更し、大事に至らなかった患者さんの記事を読み衝撃を受ける。

 

 ひとつの点でどれだけ素晴らしいことが行われていても、そこで行われた判断や評価が病院まで繋がらなければ活かされない。点と点を線で繋いでいくことが必要だ」と考え、野外救急法を普及させることを通じて点と点を繋ぐ線を描きたいと2018年秋WMAJインストラクター候補生の門を叩いて今に至る。

 

 現在は念願だったキャンプナースの活動も開始。「大人が努力することで防ぎえる傷病だけは絶対に起こさせたくない、その環境を整えることで子どもたちに最大限の挑戦と失敗をさせたい」というキャンパーズファースト観を携えて野外活動支援も行っている。

 

 これまで人生の転機に必ず人との出会いがあり、その方々との出会いを積み重ねた上に現在の自分があると常に感じているので、コースを受講されるみなさんとの出会いが毎回楽しみな今日この頃です。